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「年収の壁」で国の緩和案浮上

配偶者に扶養されているパート労働者らの年収が一定額を超えると社会保険料の負担が生じる「年収の壁」を巡り、勤め先企業がパート労働者らの保険料負担を一部肩代わりできるよう、国が企業に助成金を出す案が浮上している。複数の政府関係者が明らかにした。「年収の壁」を超えた場合の手取りの減少を緩和し、パートの人がより長い時間働けるよう後押しするのが狙い。

助成措置の対象者は、結婚して配偶者の扶養に入っている人を想定。現在の制度では、従業員101人以上の企業に勤め、年収が106万円以上になると、自ら年金や健康保険の保険料を払う必要が生じる。このため、106万円を超えない範囲で働き方を抑える「就業調整」が行われ、人手不足につながっているとの指摘がある。  

政府内で浮上しているのは、企業に助成金を支給し、パート労働者らが年収106万円を超えて働いた場合に生じる社会保険料負担の一部を補塡(ほてん)できるようにする案で、時限的な措置とする方向だ。単身の人や自営業者が対象外となる場合は、公平性に欠けるとの指摘が出そうだ。  

年収の壁を巡っては、厚生年金の適用対象となっていない中小企業などで働く人が、年収130万円を超えると扶養を外れ、自ら国民年金と国民健康保険に加入することになる「130万円の壁」もある。今回の案ではこうした人は対象とならない。  

年収の壁を巡っては、岸田文雄首相が1月の施政方針演説で、解消に向けた制度の見直しを表明。首相は近く記者会見し、具体策の検討加速を表明する見通し。

対応地域

東京都23区(世田谷、渋谷、新宿、目黒、港、品川、千代田、中央、文京、台東、墨田、江東、大田、中野、杉並、豊島、北、荒川、板橋、練馬、足立、葛飾、江戸川)
東京都23区以外
神奈川県、埼玉県、千葉県