育児・介護

1.育児介護休業法の概要

労働者が育児又は介護を行いながら働き続けることができるよう、すべての事業主は、育児・介護休業法(「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」) に基づき、以下の制度等を従業員に適用させる義務があります。
育児・介護休業法は平成28年3月と平成29年3月に改正され、平成29年1月1日及び平成29年10月1日から改正法が施行されています。

※横スクロールでご覧ください。

育児休業制度子が1歳(保育所等に入所できないなどの場合には、最長2歳)に達するまでの間(父母ともに育児休業を取得する場合は、子が1歳2ヶ月に達するまでの間のうち1年間<パパ・ママ育休プラス>) の育児休業の権利を労働者に保障。
※ 申出時点において一定の条件を満たした「有期契約労働者」も取得可能
(①勤続1年以上、②子が1歳6ヶ月に達する日までに、労働契約期間が満了し更新されないことが明らかでないこと)
介護休業制度対象家族1人につき、3回、通算して93日まで、介護休業の権利を労働者に保障。
※ 申出時点において一定の条件を満たした「有期契約労働者」も取得可能
(①勤続1年以上、②介護休業開始予定日から起算して93日を経過する日から6ヶ月を経過する日までに労働契約期間が満了し、更新されないことが明らかでないこと)
子の看護休暇制度小学校就学前までの子が1人であれば年5日、2人以上であれば年10日を限度として、1日又は半日単位で看護休暇付与を事業主に義務づけ。
介護休暇制度要介護状態にある対象家族が1人であれば年5日、2人以上であれば年10日を限度として、1日又は半日単位で介護休暇付与を事業主に義務づけ。
勤務時間の短縮等の措置3歳に達するまでの子を養育する労働者について、短時間勤務の措置(1日原則6時間)を事業主に義務づけ。
要介護状態にある対象家族を介護する労働者に対し、次のいずれかの措置を事業主に義務づけ。
(対象家族1人につき、利用開始の日から3年間の間で2回以上利用できる制度)
・短時間勤務制度
・フレックスタイム制
・始業・終業時刻の繰上げ・繰下げ
・介護費用の援助措置
所定外労働の免除3歳に達するまでの子を養育する又は要介護状態にある対象家族を介護する労働者が請求した場合、所定外労働を免除。
時間外労働の制限小学校就学前までの子を養育し、又は要介護状態にある対象家族を介護する労働者が請求した場合、 1ヶ月24時間、1年150時間を超える時間外労働を制限。
深夜業の制限小学校就学前までの子を養育し、又は要介護状態にある対象家族を介護する労働者が請求した場合、 深夜(午後10時から午前5時まで)における労働を制限。
配置についての配慮育児又は介護をする労働者を転勤させようとする場合は、その育児又は介護の状況に配慮しなければならない。
不利益取扱いの禁止育児・介護休業等を取得したこと等を理由とする解雇その他の不利益取扱いを禁止。
育児休業等に関するハラスメントの防止育児休業・介護休業等を理由とする、上司・同僚による就業環境を害する行為を防止する措置を講じなければならない。

2.出産・育児と介護の給付

1)
出産

○出産育児一時金(健保)

出産育児一時金は、出産費用の負担の軽減を図るため、健康保険の被保険者が出産した場合に、子供1人につき42万円が支給される。(産科医療補償制度に加入されていない医療機関等で出産された場合は39万円となる。)この給付は妊娠4か月以上の場合が対象で、流産や死産の場合にも支給される。また、被扶養者が出産した場合には、被保険者に「家族出産育児一時金」として支給される。退職などで被保険者の資格を喪失する場合、その喪失日の前日までに継続して1年以上被保険者であった人が資格喪失の日後、6ヶ月以内に出産したときは、出産育児一時金が支給される。

○出産手当金(健保)

被保険者が出産のため会社を休み、その間の給付が支払われないとき、出産の日以前42日間(多胎妊娠の場合は98日間)および出産の日後56日間、原則として以下の額が支給される。
支給額=支給開始日以前の標準報酬月額の12か月平均÷30×2/3×日数

支給開始日前の期間が12か月に満たない場合は、①支給開始目前の各月の標準報酬月額の平均額、②28万円いずれか低い額が支給される。会社を休んだ期間について、事業主から報酬を受けられる場合は、その報酬の額を控除した額が出産手当金として支給される。出産手当金の額より多い報酬が支給される場合は、出産手当金は支給されない。

2)
育児

○育児休業給付(雇用)

育児休業給付は、被保険者が1歳(又はパパママ育休プラス利用は1歳2ヶ月、支給対象 期間の延長に該当する場合は1歳6ヵ月または2歳)未満の子を養育するための育児休業を取得し、育児休業期間中の賃金が休業開始時の賃金と比べて80%未満に低下した等、一定の要件を満たした場合に支給される。支給対象要件は、①1歳(又はパパママ育休プラス利用は1歳2ヶ月、支給対象 期間の延長に該当する場合は1歳6ヵ月または2歳)未満の子を養育するための育児休業を取得した被保険者であること。②育児休業開始前の2年間に賃金支払基礎日数が11日以上ある月(過去に基本手当の受給資格決定を受けたことがある人については、その後のものに限る。)が12か月以上あること。
また、期間雇用者は上記に加えて①育児休業開始時に1年以上雇用が継続していること。②1歳6ヶ月までの間に、その労働契約が満了することが明らかでないこと。を満たす必要がある。

支給額=休業開始時賃金日額×支給日数(原則30日)×67%(181日目からは50%)

3)
介護

○介護休業給付(雇用)

介護休業給付は、被保険者が子等の対象家族を介護するために介護休業を取得し、介護休業期間中の賃金が休業開始時の賃金と比べて80%未満に低下した等、一定の要件を満たし場合に支給される。支給対象要件は、①家族を介護するために、介護休業を取得した被保険者であること。②介護休業開始前の2年間に賃金支払基礎日数が11日以上ある月(過去に基本手当の受給資格決定を受けたことがある人については、その後のものに限る。)が12か月以上あること。
また、期間雇用者は上記に加えて①介護休業開始時に1年以上雇用が継続していること。②介護休業開始予定日から起算して93日を経過する日から6ヵ月を経過する日までにその労働契約が満了することが明らかでないこと。を満たす必要がある。

支給額=休業開始時賃金日額×支給日数(原則30日)×67%(H28.8.1前に開始は40%)

対応地域

東京都23区(世田谷、渋谷、新宿、目黒、港、品川、千代田、中央、文京、台東、墨田、江東、大田、中野、杉並、豊島、北、荒川、板橋、練馬、足立、葛飾、江戸川)
東京都23区以外
神奈川県、埼玉県、千葉県