休憩・休日・休暇
1.用語の内容
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用語 | 内容 |
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休憩時間 | 労働者が労働から離れることを保障されている時間で、労働時間と区別される。 休憩時間は、労働していないため通常賃金が支払われない。(=ノーワーク・ノーペイの原則) |
休日 | 労働者が労働義務を負わない日。 |
休暇 | 本来、労働の義務のある日に使用者から労働義務を免除される日。また、休業に関する明確な定義は存在しないが、休暇のうち連続して取得するものを一般的に休業と呼ぶ。産前産後休業、育児休業等がその例である。 |
手待時間 | 電話番や客待ちなどのように、その行為に備えて待っている状態の時間をいい、休んでいる時間ではないため、労働時間として参入しなければならない。 |
2.休憩
1)休憩時間
1日の労働時間に応じて、下記の休憩時間を与えなければならない。
2)
休憩時間の三原則
休憩時間は以下の三原則をもとに与えなければならない。
①労働時間の途中で ②一斉に与え ③自由に利用させる
休憩時間は以下の三原則をもとに与えなければならない。
①労働時間の途中で ②一斉に与え ③自由に利用させる
◆休憩時間の三原則と例外(休憩の三原則を与えること要しない例外が以下の場合ある)
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原則 | 例外 |
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途中付与 | なし |
一斉付与 | ①労使協定を締結した場合(届出不要) ②以下の事業は一斉付与が適用されない
|
自由利用 | 以下に該当する者は自由利用が適用されない ①警察官、消防官吏、常勤の消防団員及び児童自立支援施設に勤務する職員で児童と起居を共にする者→労働基準監督署長の許可不要 ②乳児院、児童養護施設、知的障害児施設、盲ろうあ児施設及び肢体不自由施設に勤務する職員で児童と起居を共にする者→労働基準監督署長の許可が必要 |
休憩付与の適用除外 | |
以下に該当する者については休憩時間を与えないことができる ①運輸交通業又は郵便もしくは信書便の事業に使用される労働者のうち、列車、気動車、電車、自動車、船舶または航空機の乗務員で長距離にわたり継続して乗務する者 ②郵便、信書便又は電気通信の事業に使用される労働者で屋内勤務者30人未満の郵便局において郵便、電信、又は電話の業務に従事する者 ③乗務員で①に該当しない者のうち、その者の従事する業務の性質上、休憩時間を与えることができないと認められる者であって、その勤務中の停車時間等の合計が休憩時間に相当する者 |
3.休日
1)休日の与え方
原則 | 毎週少なくとも1日以上 |
例外 | 4週間を通じ4日以上 |
2)振替休日と代休
◎振替休日:休日である日を勤務日に変更する代わりに、勤務日である日を休日とするように休日と他の勤務日を予め振り替えること。
◎代休:休日の振替手続きを取らず、本来の休日に労働を行わせた後に、その代わりの休日を付与すること。
振替休日 | 代休 | |
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必要な場合 | 36協定が締結されていない場合等に、休日労働させる必要が生じた場合 | 休日労働や長時間労働をさせた場合に、その代償として他の労働日を休日とする場合 |
要件 | ①就業規則に振替休日の規定がある ②振替休日の特定 ③振替休日は、できるだけ近接した日が望ましい ④振替は前日までに通知 | 代休自体は、任意に与えることができるが、法定休日労働の場合には、36協定が必要 |
振替後の日又は 代休の指定 | 予め使用者が指定 | 使用者が指定、又は労働者の申請によって与える |
賃金 | 振替休日が同一週の場合、休日出勤日については通常の賃金を支払えばよく、振替休日に賃金を支払う必要なし *ただし、振替休日により働いた日を含む週の労働時間が週法定労働時間を超えた場合には、時間外労働となるので割増賃金の支払いが必要 | 休日の出勤日については割増賃金を支払う |
3)
労働時間、休憩、休日の適用除外
以下の労働者は労働基準法で定める労働時間、休憩、休日の規定が適用されない
①農業・畜産業・養蚕業・水産業に従事する者
②管理監督者、機密の事務を取り扱う者
③監視又は断続的労働に従事する者
④宿日直勤務者
以下の労働者は労働基準法で定める労働時間、休憩、休日の規定が適用されない
①農業・畜産業・養蚕業・水産業に従事する者
②管理監督者、機密の事務を取り扱う者
③監視又は断続的労働に従事する者
④宿日直勤務者
◆管理監督者の判断基準
- 経営者と一体的な立場で仕事をしている
重要な職務内容、責任となっており、それに見合う権限の付与が行われているか - 出社、退社や勤務時間について厳格な制限を受けていない
重要な職務と責任を有していることから、現実の勤務が実労働時間の規制になじまないようなものとなっているか - その地位にふさわしい待遇がなされている
地位、給与及び賞与等の賃金その他の待遇において一般労働者に比較して相応の待遇がなされているか
4.休暇
1)
休暇の種類
休暇には法律上労働者に必ず与えなければならない法定休暇と会社が独自に就業規則等に定めて与える会社休暇がある。
休暇には法律上労働者に必ず与えなければならない法定休暇と会社が独自に就業規則等に定めて与える会社休暇がある。
◆主な休暇
名称 | 内容 | |
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法定休暇 | 年次有給休暇 | 雇入れの日から6か月間継続勤務して全労働日の8割以上出勤した労働者に対して付与される。 |
生理休暇 | 生理日の就業が著しく困難な女性が請求した場合に付与される | |
産前産後休業 | 産前休業:出産予定日を基準として6週間(多胎妊娠の場合は14週間)以内の女性が請求した場合に付与される 産後休業:実際の出産日を基準として、その翌日から起算して8週間を経過しない場合は、原則として就業させてはならない。ただし、産後6週間を経過した場合、本人から請求があり医師が支障ないと認めた場合就業させることはできる。 | |
育児休業 | 1歳未満の子を養育する労働者が申出て付与される。 保育所の空きがなく入園待機の場合は1歳6ヶ月又は2歳まで付与される。また、両親ともに育児休業をする場合は1歳2か月までの間での1年間(パパママ育休プラス)付与される。 | |
介護休業 | 労働者がその要介護状態(負傷、疾病又は身体上もしくは精神上の障害により、2週間以上の期間にわたり常時介護を必要とする状態)にある対象家族を介護するために付与される。 | |
看護休暇 | 小学校就学の始期に達するまでの子を養育する労働者が1年に5日まで(当該子が2人以上の場合は10日まで)、病気・けがをした子の看護又は子に予防接種・健康診断を受けさせるために付与される。 | |
会社休暇 | 慶弔休暇 | 冠婚葬祭等の理由により付与される |
勤続休暇 | 永年勤続した労働者に対して報償的に付与される |
2)
年次有給休暇
休暇には法律上労働者に必ず与えなければならない法定休暇と会社が独自に就業規則等に定めて与える会社休暇がある。
休暇には法律上労働者に必ず与えなければならない法定休暇と会社が独自に就業規則等に定めて与える会社休暇がある。
①付与日数
◆付与日数:
週の所定労働日数が5日以上又は週の所定労働時間が30時間以上の労働者
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勤務年数 | 6ヵ月 | 1年 6ヵ月 | 2年 6ヵ月 | 3年 6ヵ月 | 4年 6ヵ月 | 5年 6ヵ月 | 6年 6ヵ月 |
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付与日数 | 10日 | 11日 | 12日 | 14日 | 16日 | 18日 | 20日 |
◆比例付与日数:
週の所定労働日数が4日以下かつ週所定労働時間が30時間未満の労働者
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週所定 労働日数 | 1年間所定 労働日数 | 勤続年数 | ||||||
6ヵ月 | 1年 6ヵ月 | 2年 6ヵ月 | 3年 6ヵ月 | 4年 6ヵ月 | 5年 6ヵ月 | 6年 6ヵ月 | ||
4日 | 169日~216日 | 7日 | 8日 | 9日 | 10日 | 12日 | 13日 | 15日 |
3日 | 121日~168日 | 5日 | 6日 | 8日 | 9日 | 10日 | 11日 | |
2日 | 73日~120日 | 3日 | 4日 | 5日 | 6日 | 7日 | ||
1日 | 48日~72日 | 1日 | 2日 | 3日 |
②年次有給休暇の時季指定義務
労働基準法が改正され、2019(平成31)年4月から、全ての企業におい て、年10日以上の年次有給休暇が付与される労働者に対して、年次有給休暇の日数のうち年 5日については、使用者が時季を指定して取得させることが必要となった。
◎労働者ごとに、年次有給休暇を付与した日(基準日)から1年以内に5日について、使用 者が取得時季を指定して与える必要がある。
◎年次有給休暇を5日以上取得済みの労働者に対しては、使用者による時季指定は不要。
◆4/1入社の例