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給与デジタル払い、議論再開 安全性課題、解禁時期見通せず 厚労省

労働政策審議会(厚生労働相の諮問機関)の分科会は、スマートフォンの決済アプリに直接給与を入金する「デジタル払い」解禁に向けた議論を約1年ぶりに再開した。厚労省は昨年4月、制度案の骨子を分科会に示したが、銀行と比べて決済アプリ業者の安全性を懸念する声が労働者側に根強く調整は難航。政府や経営者側は解禁に前向きだが、具体的な時期は見通せない状況だ。 労働基準法によると、給与は直接労働者に全額現金で支払うのが原則とされ、銀行など口座への振り込みは労働者の同意を得た場合に限り例外として認められている。政府は労働者の利便性を高めるため、「PayPay(ペイペイ)」などの決済アプリを手掛ける「資金移動業者」も一定の要件を満たした場合、この例外に加えたい考えだ。 厚労省が昨年示した制度案では、不正取引があった際に損失を補償するといった要件を明示。今回、新たに検討すべきこととして、デジタル払い以外に銀行振り込みなどの他の選択肢を提示した上で、勤務先が労働者から同意を得ることなどを記した。ただ、労働者側の委員は「(厚労省の案で)安全性や確実性が見えてきたとは言いにくい」と反発。政府は昨年6月に閣議決定した成長戦略で「2021年度のできるだけ早期の制度化を図る」としたが、実現は事実上困難となっている。 

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