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出産一時金40万円台半ばへ増額を要望
'22.05.16
出産にかかる費用が高額になっているとして、自民党の議員連盟は16日、「出産育児一時金」を現在の42万円から40万円台半ばに増やす要望書を岸田文雄首相に提出した。出産費用は増加傾向で、都市部では自己負担が数十万円に上ることもある。厚生労働省は費用上昇の要因を分析しており、今後一時金の引き上げに向けた検討を本格化させる。 「出産費用等の負担軽減を進める議員連盟」は、「少子化の主要因の一つは、経済的負担」と指摘。一時金を「最低でも、基礎的な費用の上昇に見合う水準まで」引き上げるべきだとした。
厚労省によると、出産費用は増加傾向だ。公的病院の全国平均では、2012年度の47万7740円から、19年度は51万1444円と、3万円以上増えた。産後の「お祝い膳」や個室代といった医療行為以外を除いた最低限の水準でも、12年度の40万6012円から19年度の44万3776円に増えた。出産は基本的に病気の治療ではないとされ、健康保険などの保険証が原則使えない。帝王切開などのケースを除けば、自費だ。
出産育児一時金は、高額な負担を軽くするために健康保険などから支給される制度。支給額はこれまでも出産費用の状況をふまえて引き上げられてきた。09年には38万円から42万円に増額したが、その後、医療機関側が出産費用を増やし、全国平均額でも一時金を上回る状態が続いている。こうした状況から、議連は、一時金の増額のほか、医療行為とそれ以外の料金を分け、出産費用を「見える化」してわかりやすくすることも求めた。